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考えるための日記

地熱発電

NHKで放送されている「時論公論」という番組がある。

 

専門の解説の方がでてこられて、各方面のことについてとてもわかりやすく解説してくれる番組で、毎回本当によくできているなと見るたびに感心している。

 

先週ぐらいに地熱発電について解説されていたのであるが、国の電気のほとんどを再生エネルギーでまかなっているヨーロッパのアイスランドの例をあげられて、日本でももっと地熱をエネルギーとして活用すべきという話をされていた。

 

地熱はマグマの熱を使うため、天候による影響を受けずに、恒常的に発電することができるため、エネルギーとして非常に優秀なので、電気全体の0.3%というほとんど使っていない現状はとてももったいないとのことだった。

 

また、単なる発電だけでなく,家庭の暖房や温泉などに回すことによって今よりももっと近隣の人たちへのメリットが増し、反対されている地元の方々への地熱発電への理解も得やすくなるともいわれていた。

 

日本は火山国で、地震も多いし、火山の噴火による被害もある。

 

地熱を利用するのは、そのメリットを享受することだ。

 

アイスランドのことがそのままあてはまるとは思わないが、アイスランドでは地熱を利用することにより、近隣の地域では、床暖房やお風呂、お湯の設備、電気などすべて含めて、月2万円ぐらいで一般家庭に供給されているということだった。厳寒の地での冷房なので、北海道よりもずっとずっと寒いであろう家のなかでTシャツで過ごせるような暖房がそれだけでまかなえるということだった。

 

今は大抵、日本では地熱発電に適した土地が、温泉観光地であったり、国立公園などであるため、地元の観光産業を考えた際にでてくる地元の方々の反対する声が普及を妨げていることが多いということだが、具体的にトータルで近隣の人たちに大きなメリットがいくよう考えていくことによって、可能性も広がっていくのではないかということだった。

 

日本の場合、その地域にとってとても重要な事柄について何か提案がされるときに、どうしても漠然としたメリットではなく、それを受け入れることによって具体的にどういうことが可能になり、それによる経済的なメリットがいくらになるのか、また、環境への考えうるデメリットとその具体的な対策について、わかりやすく提示されることが少ないように思う。

しかし、地熱をはじめ、再生エネルギーの普及についてもう少し本腰でそのメリットと可能性について明らかにされていくべきだし、そのメリットが大きいのであれば、推進する具体的なアクションが必要なのではないかと思う。何となく、今のところいろいろハードルがあるからとか、現実問題として、今すぐに使えるエネルギーとしては少ないというふうにいわれてスルーされてしまっているのではないか。

 

原発のように、賛成している人もいるが、本当に強く反対している人もたくさんいるエネルギーよりも、より多くの人たちに受け入れられるエネルギーが可能なのであれば、できる限りの可能性を考えていく方が大勢の人たちの幸せにつながるのではないかと思う。